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「重量木骨の家」森林ツアー

6月11日NCNさん主催の「重量木骨の家」森林ツアーに行って参りました。
「重量木骨の家」に使う木々は岡山県津山地域にありました。前日そして当日の朝の雨が嘘のように晴れて主催者、参加者がみんな驚きました。やれ「晴れ男」だ、やれ「晴れ女」だと聞こえてきていました。そういう私は「晴れ女」です(^^)
余談は置いておいて、この日、お邪魔したのは院庄林業株式会社の工場です。

私は初岡山県でしたが、緑豊かな所という印象でした。しかし、林業が盛んだった頃より1/3になってしまったそう。お話してくださった植林管理の小林さんはこの地区で1人になってしまったそうです。林業は世襲制で一度やめてしまうと仕事をすることはできなくなります。無計画に植えたり伐採する人が出ると森がダメになってしまうからです。

まず、檜(ひのき)の苗畑の説明をしてくれた小林さんです。年齢は80歳だそう!
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苗を作り続けているのは山に植林剪定し、森が育っていくことが好きだからだそうです。
檜は4月に種を蒔きます。種を植えた後、5月までは藁をかけておき、8月頃から写真の黒い網をかけて直射日光を遮り育てます。その後10㎝以上の苗と10㎝以下の苗に分け畑に植え替えます。10㎝以上の苗木の70%は森に植林され、山木になります。
(右下の写真)黒い網の下には檜の苗木です。
こちらでは檜の苗木の他、杉の苗木も育てておられました。杉は挿し木で育てるそうです。

苗畑見学後は、苗職人の水田さんの森に植林体験です!参加者みんなで山に登ります。雨が降ると森が呼吸をはじめ緑がより一層きれいだと教えてくれました。また、雨のあとに流れる小川が綺麗なのはちゃんと管理している山だからだそう。こちらの山からはきれいな水が流れていました☆小川のせせらぎと木々から漏れる太陽の陽でゆったりした気分になります♪中腹に登り代表の方が植林し、今日の立て看板を立てます。昨年の看板もあります!本日植えた苗木より育っています(^^)
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昼食後、院庄林業株式会社の工場見学へ!
敷地が79,000㎡もある集成材工場を見学させていただきました。綺麗に整備された工場でした。こちらでは森林アテンダント・森本さんにご案内いただきました。
よく「木を切っていいんですか?」と聞かれるそうです。その都度「木は切らなければいけない、そして、植えなければなりません。」と答えているそうです。15年くらいの若い木がCO2をよく吸収します。50年くらいからほとんど吸収しなくなるので、木の植えっぱなしはCO2の削減にならないということ。

植える→育てる→収穫→利用

という図式がもっとも地球環境にいいのですね。大きく育った木を伐採し、200年持つ家に作りかえるというのが理想だなぁっと改めて思います。

そして集成材製造工場では、このような工程を経て集成材を作っています。
原木搬入→皮むき→乾燥→含水強度→グレーディング(木材に含水率何%含まれるか、木材の強度を調べて表示すること→乾燥→モルダーかけ(板削り)→接着→仕上げ加工
院庄林業では最終含水率を15%以下にしています。なぜならこれ以上含水率があると平衡率が保てなくなるのです。実際現場で含水率別の木材を見せていただきました。含水率20%のものでも収縮してしまい、机の上でガタガタしていました。また、製品についてはトレーサビリティ(物品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状態)もしっかりしており問題発生時でもすぐ対応し安全宣言が出せる状態を作っていますとのこと。環境問題にも考えが深く、森林認証制度の利用(適正に管理された森林から産出した木材などに認証マークを付けることによって、持続可能な森林の利用と保護を図ろうとする制度)や、太陽光発電パネルを工場の屋根に4188枚設置し、工場の電力半分をまかなっていました。5年間の統計上6月が発電が多いということです。7,8、9月の暑い日に発電が多いのかと思ったら違うのですね。
工程ごとに試験があります。それをクリアして出荷される製品になります。集成材で心配されるのが接着材ですね。まず、浸せき試験を行います。常温の水につけ、乾燥させます。、また煮沸試験ではお湯で煮て乾燥させ、それぞれで接着層の剥離をチェックしているそうです。
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工場は機械でほとんど作業が進みます。
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最後に工場内の技術研究室で木材の弾性質の測定と荷重をかけてどこまで耐えれるかの測定を見せてもらいました。この日は120*210*5500の集成材に荷重をかけ、役6トン半で割れました。「バキッ!」という音にはビックリしました。。。
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SEの構造材の良さとしっかりした品質管理が伝わるいいイベントだったと思います。しかし、和歌山からだと遠いのが残念でした。。。
一緒に行った大工の種子永さんが印象に残ったのは「苗畑」。苗って大工さんでも見たことがないそうです。杉は挿し木で育てると聞いて、「種を見てみたいなぁ」っと言ってました。ちなみに檜の種は松ぼっくりみたいな形で、松ぼっくりより小さかったです。また、1年で10センチしか育たないことに驚かれていました。木が育つのは何十年と先。将来を考えて今から苗を育てることがとても重要ですね。

こちらのツアーの様子が「ソトコト」という雑誌の8月号に載るそうです♪

和歌山で家を建てる 浅井良工務店

2011.06.15
0120-460-249 電話をかける
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