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空き店舗リフォーム実例

  • コラム

2024年初夏に北ぶらくり丁商店街に
オープンしたイタリアンカフェ『ポルタ』

地元でUターン起業されたオーナー様に
オープンまでの道のりと
浅井良工務店との出会いについて
お話しいただきました。

Uターン移住とカフェ経営
運命に導かれ辿り着いた夢

ポルタとは、イタリア語で
『扉』を意味する言葉。

次々に扉を開けていくような感覚で
商店街内のいろんなお店を巡り、
その中のハシゴの一軒として
気軽に立ち寄ってもらえる
お店になればいい。

そんな想いを店名に託しました。

「元々コーヒーが大好きだった」
というオーナー様。
休日も自分でコーヒーを淹れるのが
楽しみだそう。

いつか自分の店を持ちたい、
と考え始めたのは10年ほど前のこと。
当時ケーキ職人であったこともあり、
自然とカフェ経営を夢見るようになりました。

修行のため出た大阪で
ハンドドリップにこだわる喫茶店で
5年ほど勤めた後、イタリア菓子に
興味を持つきっかけとなった
イタリアンバールでの仕事に巡り合います。

イタリアの郷土菓子は
季節や地域によって異なる多様性が特徴。
なぜこのお菓子がその地域で愛されたのか、
イタリアの歴史や材料の産地など
背景にあるセオリーを紐解いていくにつれ、
興味にとりつかれていきました。

無理に日本人の好みに合わせ過ぎない
本場の味わいにも深い魅力を感じました。
見栄えの良い菓子ではありませんが、
長い歴史を経て家庭で作り継がれてきた
焼き菓子はコーヒーとの相性も格別です。

『イタリアンカフェを開こう』という
彼女の夢が産声を上げた瞬間でした。

生活のフィールドは、
和歌山がいい。

オーナー様は和歌山は紀の川市が地元。
最初から大阪は修行のつもりでした。
人も収入も多く、仕事をするのに
大阪はとても魅力的な場所でしたが、
一方で自分にとって
生活の場ではない
とも感じていたからです。

山海川の雄大な自然に包まれ、
のんびり穏やかで、
人も温かく住みやすい和歌山。

往来は多過ぎず少な過ぎず。
時の流れも速過ぎることはないし、
遅過ぎることもない。
マイカーは必要ですが、
都会からも近く、特段不便は感じません。
歴史や産業も豊かで仕事も学ぶ場所もある。
そんな地元にいつか戻りたい
考えていたそうです。

しかし店を構えることとなった
北ぶらくり丁商店街は、
長く「シャッター消店街」と
揶揄されるようになっていた地。
開業に向けて不安はなかったのでしょうか。

「お店をやっていけるかという不安は
結局どこで営業しても同じ。
それなら自分の気に入った場所でやりたい。」
シンプルな想いが後押しとなりました。

近年は地域の魅力を掘り起こし、
活性化させようと積極的に
活動する団体も増え、
定期的なイベントも開催され、
人が戻りつつあります。

オーナー様も2023年秋に開催された
出店希望者向けのイベントでトライアル出店。
その時の体験がいまに繋がっています。

まだまだ平日の人通りが少ない日もあるので
商店街全体で底力を蓄えていくには
どうしたらいいだろう、と
時々考えることもありますが、
街を盛り上げようとする仲間が増え、
新しい灯りが少しずつ灯っていく様子を
見るにつれ「この商店街はきっと
これからもっと明るくなる」と
期待が持てる
といいます。

浅井良工務店との出会い
店主の理想 × 大工職人の匠の技

対照的に、店内は白を基調にした
現代的ですっきり落ち着いた空間。

店舗奥の赤い壁紙が
非常に活きたアクセントになっています。

ブランドに拘らずオーナー様が
好みで揃えたというカップ&ソーサ―も、
木製の造作カップボードに並べられると
一層引き立って見えるようです。

店づくりへの想い
自分の感覚の先にあるもの

「自分の感覚や直感を大事にして良かった。」
このように自身の移住や起業の経験を
振り返るオーナー様。

かつてケーキ職人だったことも、
修行中の大阪でイタリアの郷土菓子に
出会ったことも、北ぶらくり丁の
イベントに出店したことも、
浅井良工務店を紹介されたことも、
すべて偶然の連なりでしたが、
未来がイメージできるかを基準に
自分自身の感覚を大事にしながら
縁を結んできました。

もし、移住や起業をしたいと思う人がいたら
自分と同じように感覚や直感を
重視してほしいと考えています。

それは自分の感覚とマッチする部分が
多いと感じたものを選んで辿り着いた
自らの“いま”に満足しているから
だといいます。

やりたいかやりたくないか、
自分の感覚次第
私はいま自分で選んだものに囲まれて
ストレスフリーに生きています」
とおっしゃいます。

温和でほんわかした印象とは裏腹に、
内なる熱い情熱と行動力は
ひとつの信念に貫かれているようです。
その心地良いギャップに驚かされると同時に、
こちらにまでそのパワーが
伝わってくるように感じます。

カウンター越しに手際良く作業を進める
オーナー様の手元に自然と目が惹かれます。

一杯ずつ丁寧にハンドドリップで淹れるのは
カフェ経営を夢見た頃からのこだわりです。

コーヒーの香りとコクが強めなのは
あえて深入り豆を使っているからだそう。
「カフェオレでもミルクに負けず
きちんとコーヒーの香りと味が
愉しめるように」
と求める味を追求し、箕面市の焙煎所から
好みの豆を仕入れるこだわりようです。

イタリアのシチリア地方では
メジャーなチーズとドライフルーツの冷菓子
「カッサータ」や暑いサマーシーズンに
味わいたいスキっとした「コーヒーグラニテ」、
コーヒーに浸しながらいただく
「ビスコッティ」、ドライフルーツやナッツが
ぎっしり詰まった焼き菓子「プラムケーキ」
etc…。
イタリアンカフェならではの
手作り菓子との出会いにも心が躍ります。

「ここでゆったり過ごしてもらいたい想いは
山々ですが、面白いお店が増えているので、
ここだけを目指してくるのではなくて
ぜひ商店街のいろんなお店を巡ってみて
ほしいですね。そして疲れたらここでホッと
ひと息ついてもらいたい。」

レトロな商店街に建つ木の良さが活かされた
一軒のリノベーションカフェ。

コーヒーアロマに包まれた店内へと、
仕事前や帰りの人たちが、
あるいは家族や仲間と
商店街に遊びに来た人たちが
ひと息つくために足を運ぶ。

街の風景に馴染み、街に愛される、
フランクなバールのようなカフェ。
そんなゴールへ向かって夢は続いていきます。

STAFF
浅井良工務店

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