「ズントーらしさ」が分からない。だから面白い。
和歌山県で和歌山・南大阪を中心に地元密着で
新築・リノベーション・リフォームをおこなっている
浅井良工務店の松本です。
今回は、以前訪れたスイスの建築について少しご紹介したいと思います。
訪れたのは、建築家ピーター・ズントーが設計した「ヴァルスの温泉施設(Therme Vals)」です。

ズントーの建築はいくつか見ていますが、この建物を見て改めて感じたのが、「ズントーらしさって、何だろう?」ということでした。
以前見た彼のアトリエとは、建物の形も、使われている素材もまったく違います。
建築家によっては、建物を見ただけで「これはあの人の設計だな」と分かるような特徴があります。でもズントーの建築は、良い意味でそれが分かりにくい。
同じデザインを繰り返すのではなく、その場所にあるものや、その建物で過ごす人の感覚から、一つひとつ答えを探している。
そんな印象を受けます。
ヴァルスの温泉施設では、その土地で採れる石「ヴァルス・クォーツァイト」が、外部だけでなく内部にもふんだんに使われています。
地元の素材を建築に取り込み、その土地の風土と建物を結びつけているところも、この建築の大きな特徴です。
外観はとてもスクエアでシャープ。
石そのものが持つ色の違いや表情が、そのシンプルな形をより印象的に見せていました。
でも、僕が特に面白いと感じたのは内部の空間です。

中に入ると、明るい場所と薄暗い場所、天井の高い場所と低い場所、狭い場所と広い場所が次々と現れます。
ずっと明るく、ずっと開放的なのではありません。
薄暗い場所を通った先に光が見えたり、閉じた空間から開けた場所へ出たり。
光と影、狭さと広さ。そのメリハリによって、自然と次の場所へ誘われていく。
実際にこの建築では、光と影、開放された空間と閉じた空間を組み合わせながら、人が建物の中を歩き、発見していくような空間がつくられています。

そして、その先にあるテラスから眺める山の景色がとても良い。
建物だけが主役なのではなく、建築を通して、その土地の風景をより強く感じられる。
そこがとても印象に残っています。
家づくりでも、「明るい家にしたい」「広いリビングにしたい」というご要望をいただくことは多くあります。
もちろん、それも大切です。
でも、すべてを均一に明るくしたり、ただ広くしたりすれば、必ず心地よい空間になるとは限りません。
少し落ち着いた場所があるから、光の入る場所が気持ちよく感じられる。
少しこもれる場所があるから、開放的な場所がより心地よく感じられる。
そして、窓の先に見える庭や空、季節によって変わる光や風まで含めて考えていく。
浅井良工務店でも、和歌山の気候を読みながら、光や風、温度、外とのつながりを考えた住まいづくりを大切にしています。パッシブデザインも、単に性能を高めるためではなく、その土地の自然を暮らしの心地よさにつなげるための設計だと考えています。
ヴァルスで感じたのは、建築の心地よさは、形や素材だけではなく、その場所で何を感じるかまで含めてつくられているということ。
家も同じだと思います。
図面だけではなかなか伝わらない、朝の光や、窓の向こうの景色、家族が自然と集まる場所。
そうした「暮らしの感覚」まで一緒に考えるのが、僕たちの家づくりです。
家の広さや間取りを決める前に、
「どんな場所で、どんな時間を過ごしたいのか」
そんなところから、一緒にお話しできればと思います。
浅井良工務店の家カフェでは、間取りや設備を決める前に、まず皆さんがこれからどんな暮らしをしたいのかをお聞きしています。
まだ土地が決まっていない方も、家づくりを考え始めたばかりの方も大歓迎です。
自分たちにとっての「心地いい暮らし」を、一緒に考えてみませんか。

















