シンプルなのに、奥深い。マリオ・ボッタの住宅から学ぶこと
和歌山県で和歌山・南大阪を中心に地元密着で
新築・リノベーション・リフォームをおこなっている
浅井良工務店の松本です。
今回は、スイスのロゾーネにあるマリオ・ボッタ設計の住宅をご紹介します。

写真を見て、まず目に入ってくるのが、円を描くような大きな外観です。
マリオ・ボッタの建築には、円や四角といった幾何学的な形を強く感じる建物が多くあります。
一見すると、とてもシンプル。
でも設計する側から見ると、こうした明快な形を最後まで崩さずに、実際の暮らしに必要な空間をつくっていくのは、意外と難しいものです。
部屋を配置して、窓をつくって、光を取り入れて……と考えていくうちに、最初に考えた建物の形が少しずつ崩れてしまうこともあります。
この住宅がおもしろいのは、幾何学的な形そのものを制約にするのではなく、空間づくりにうまく利用しているところです。

特に印象的なのが、テラスのつくり方。
テラスを層ごとに少しずつずらすことで、建物の中への光の入り方が変わり、外から見たときにも奥行きや陰影が生まれています。
大きく形を変えているわけではありません。
ほんの少し位置をずらす。
それだけなのに、光の入り方も、外観の表情も変わる。
とても単純な操作ですが、効果的だなと感じます。

住宅を考えるとき、「何か特徴的なものをつくらないと」と思ってしまうことがあります。
でも、必ずしも複雑な形にすることが、いい設計とは限りません。
窓の位置を少し変える。
壁を少し伸ばす。
外部空間を少しずらす。
そんな小さな設計の積み重ねによって、光の入り方や居心地、建物の見え方は大きく変わります。
この住宅を見ていると、シンプルだからこそ、一つひとつの設計の意図がはっきりと表れることを改めて感じます。
浅井良工務店でも、間取りや外観だけを見るのではなく、
「ここに窓があることで、どんな光が入るのか」
「この場所で、どんな時間を過ごすのか」
そんなことを考えながら、一棟一棟の住まいを設計しています。
浅井良工務店の家カフェでは、間取りや設備を決める前に、まず皆さんがこれからどんな暮らしをしたいのかをお聞きしています。
まだ土地が決まっていない方も、家づくりを考え始めたばかりの方も大歓迎です。
自分たちにとっての「心地いい暮らし」を、一緒に考えてみませんか。

















