DANRAN COLUMN DANRAN人のコラム

パッシブデザインを構成するもの#04『自然風利用』

自然の心地良い風が
通る住まいへ

#04『自然風利用』

 

和歌山県の和歌山市を中心に、
パッシブデザインを採用した
自然光で心地よい新築や
リノベーション、リフォームを
地元密着でおこなっている
浅井良工務店です。



 

家づくりを考えるときに
「風通しのよさ」も大切なこと。

春や秋といった中間期に
爽やかな風を採り入れて
お部屋の空気をリフレッシュすることは
とても気持ちの良いもので
す。

また風通しを良くすることは
住まう人の快適性だけでなく
建物の健やかさにも繋がります。

今回は、パッシブデザインの要素
「自然風利用」についてご紹介します。

1.自然風利用とは?

自然風利用とは、窓を開けて
外気を採り入れることを指し、
次の効果を期待できます。

 

上記2点からわかるように、
自然風利用は主に春~秋の中間期や、
夏の夜間の「室内温度 ≧
外気温度」
の時に効果的にはたらきます。

2.風を採り入れる工夫

▶風を捉える

・風を採り入れたい時期と時間帯に注目する

和歌山市では、
以下の方角から風が吹くことが多いです。


【参考】
自立循環型住宅設計ガイドライン「自然風の利用・制御」用気象データ資料【和歌山県】
※パーセンテージは日中 (7~22 時)
/夜間( 23 時~6 時)の風向き頻度を示します

季節を問わず、夜間は一貫して
北東方面から風が吹くことが
多いですが、日中は4月~
7月は
南西から、8月頃より風向きが
変わり始め、9月以降は北東方面
から風が吹く傾
向にあります。

春の日中は南西を、
秋の日中は北東の窓を開け、
夜間に風を通したい時は
北東の窓を開ける
風が通りやすいでしょう。

なお、こちらはアメダス気象データを
基にした数字のため
実際とは異なる場合があり
ます。

建築地の地形や、周辺の建造物によっても
風向きは変わるため、
時期や時間帯に
よって
風向きが変わることを
認識いただいたうえで、
ご自宅での風向きを
意識してくだ
さい。

※上記の参照サイトをご覧いただくと、
和歌山市以外の地点も取り扱われています。

 

・ウィンドキャッチャーで風を呼び込む

風が吹いてくる方向に
窓が向いていない場合は、
ウインドキャッチャーを活用して

風を呼び込む方法があります。

 

▶温度差を利用する

温度の高い空気は上に昇ることから、
高い位置にある窓を開けると、
効率よく排熱ができ
ます。
天窓や、階段室上部、
小屋裏の窓などが効果的です。

▶風の入口と出口を意識する

風を通すには、入口と出口が必要であり、
開ける場所と大きさによって
効果が変わり
ます。

・建物の対角線上の窓をあける

 

 

・窓を開く面積を工夫する

入口の開きを大きく、
出口の開きを小さくすると風速が遅くなり

入口の開きを小さく、出口の開きを
大きくすると風速が早く
なります。

風の吹く方角と、ゆるやかに風を通すか、
風を感じながら過ごしたいか、
好みによって
調整しましょう。

 

 

3.自然風利用の注意点まとめ

自然風利用には、適切に風を採り入れ
排出できる窓のデザインと合わせて、
暮らしながらの
住まい手さんによる
調整が重要になります。

風向きは時間帯によって変わりますし、
室温やご家族の感じ方によっても
快適性が異なるものだからです。

 

パッシブデザインは、
設計者による適切なプランニングと
使い手による正しい使い方があ
って
はじめて効果を発揮します。

自然風利用に関しても、
暮らしのアドバイスとして
窓の開け方をお伝えできる
作り手と家づくりをされると、
心地よさが180℃変わります。

特に窓は、光を入れたり、
風を入れたり、熱を入れたり遮蔽したり…と
様々な役割があり、
その時々で調整できたり、
調整することが求められる
重要な場所なのです。

次回は、窓から太陽熱を入れて
室内を温める「日射熱利用暖房」
についてお伝えします。

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2025.11.30
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