DANRAN COLUMN DANRAN人のコラム

パッシブデザインを構成するもの#03「昼光利用」

自然光を味方にする家づくり
パッシブデザインを構成するもの#03「昼光利用」

 

和歌山県の和歌山市を中心に、
パッシブデザインを採用した
自然光で心地よい新築や
リノベーション、リフォームを
地元密着でおこなっている
浅井良工務店です。

 

家づくりを考えるときに、
「暖かさ」や「涼しさ」と同じくらい
大切なのが「明るさ」ですよね。

リビングが自然光で満たされていると、
それだけで気分が明るくなり、
家族の居心地も大きく変わります。

今回は、パッシブデザインの
要素のひとつ「昼光利用」
についてご紹介します。

昼光利用とは?

昼光利用とは、
太陽の光をうまく建物内に取り入れて、
人工照明に頼り切らず
心地よい明るさをつくる
設計上の工夫を意味します。

ポイントは「直射日光」だけではなく
「散乱日射」も活かすことです。
曇りの日や北側の窓からも入ってくる
この光をどうデザインするかで、
室内の明るさは大きく変わります。

★用語チェック★
「直射日光」
 ⇒太陽から直接届く光。
光量が多く、強い光。

「散乱日射」
 ⇒待機中の粒子などによって
散乱・反射して届く光。柔らかい光。

 

光を採り入れる工夫

室内への光の届け方には、
以下の2種類があります。

(1)採光

直接光を届ける方法で、
窓から光を採り込みます。
主に日中過ごす部屋(LDKなど)は
一般的に2面以上の多面採光が
望ましいとされています。

 

(2)導光

直接光が届く部屋から
光を誘導する方法です。
たとえば南北に細長い敷地や、
両隣の隣家が近い敷地など、
十分な多面採光が
確保できない場合や、
部屋間に挟まれている部屋に
光を届けたい場合などに
採用を検討します。

 

導光については、建具や壁面を
工夫するだけでも達成できるため、
間取りや窓の配置を大きく変えづらい
リフォームにも活用できる方法です。

それぞれの具体的な手法をご紹介します。

採光の工夫

  • 吹き抜けや階段室

    家の奥まで光を届ける
    代表的な方法が吹抜け
    です。
    住宅密集地や南面に建物が近接する際も
    上部から光を届けることができます。
    階段室についても吹抜けと
    捉えることできますね。
    暗くなりがちな階段が明るくなると、
    日々の上り下りも気持ちよくなります。

 

  • 中庭(ライトコート)

    多面採光が実現しやすい中庭。
    比較的床面積の広い建物の場合や、
    住宅密集地での昼光利用に効果的です。
    ロの字型・コの字型・L字型があり、
    上階から地上まで中庭が続くタイプの他、
    2階・3階の一部を中庭にするタイプ、
    地階に光を取り入れる時に
    用いられることもあります。
    プライバシーを守りながら
    明るさを確保できる点も魅力です。

     

  • 地窓や天窓

    足元を明るくしたい場合や、
    部屋の奥まで明るくしたい場合に
    用いられる手法です。
    暗くなりがちな場所に導入することで、
    空間に広がりを生み出します。

    ▲暗くなりがちな脱衣洗面室に天窓を設けた例

    ▲明る過ぎず落ち着きを重視したい和室に設けた地窓の例

     

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 庇や屋根の反射を活用(ライトシェルフ)

    直射日光を直接入れたくない場合や、
    さまざまな事情で壁面を
    多くしたい場合に使用する手法です。
    壁面家具やPCスペースの多い事務所、
    施設などに導入されることが多いです。

     

導光の工夫

  • 欄間やスリットのある建具

    建具の上部や壁面の一部に、
    ガラスや透過性のある素材を
    用いることで、隣の部屋まで
    光を届ける
    ことができます。

    開閉できるようにしておくと、
    風通しや室温コントロールにも
    役立ちます。

    また、夜間は隣の部屋の照明光を
    導くことができるので、
    照明を点けずに部屋をほんのり
    明るくすることもできます。

    ▲手すりを木格子にして暗くなりがちな足元を明るく保つ例

    間仕切りの一部を開放し、建具を障子にすることで、北側のお部屋に光を呼び込んだ例

     

     

 

 

 

 

 

 

 

昼光利用の注意点

積極的に昼光利用をおこなうことで、
快適で省エネな暮らしを
実現することができますが、
一方で、気をつけて
おきたいこともあります。

それは、断熱性能や日射遮蔽の工夫
計画時から検討しておくということです。

 

「高断熱・高気密」のコラムでも
お伝えした通り、光を取り入れるために
活躍する窓は、建物全体に太陽熱の
約7割を侵入させます。

そのため、断熱性能や日射遮蔽の工夫が
欠かせません。外皮の断熱性能を高めたり、
庇やルーバー等で夏の日差しを
コントロールできるように
工夫しておくことが重要です。

また、光の入り方は「シーン」に
よって心地よさが変わります。

暮らし方に合わせた
光のデザイン

窓配置でおこなうことが、
毎日の快適さを大きく左右します。

昼光利用を活用するポイント

昼光利用は、ただ窓を増やすことではなく、
土地や暮らしに合わせた
バランスの良い窓配置

を考えることがポイントです。

立地条件やお施主様の暮らしぶり、
要望を踏まえた上で、
最適な窓計画を一緒に検討してくれる
専門家に相談してみましょう。

吹き抜けや中庭を設けたり、
建具の工夫をしたりすることで、
住まい全体が自然光に包まれる
心地よい空間になりますよ。

「明るい家で毎日を楽しみたい!」と
思われた方は、実例をご覧ください。

▶ 施工事例はこちら

次回はパッシブデザインの
もうひとつの要素「通風利用」
についてご紹介します。

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2025.09.19
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