光の入り方で、暮らしは変わる。ヤコブセンの建築に学ぶ“窓の設計”
和歌山県で和歌山・南大阪を中心に
地元密着で新築・リノベーション・リフォームを
おこなっている 浅井良工務店、設計の松本です。
今回は少し視点を変えて、
建築の原点に立ち返るような建物をご紹介します。

添付の写真は、デンマークの建築家
アルネ・ヤコブセンが設計した
コペンハーゲン郊外にある「ムンケゴー小学校」です。
一見するととてもシンプルな平屋の建物ですが、
よく見ていくと、設計の本質が詰まっています。
■ 光の設計は、空間の質を決める
この建物の特徴の一つが、
教室に設けられた大きな窓と
ハイサイドライトです。
中庭に向かって大きく開いた窓。
さらにその上に設けられた高窓から、
やわらかい光が差し込む。
これによって、
教室の奥までしっかりと光が
届くように設計されています。
ただ明るいだけではなく、
時間によって変わる光の質が、
空間に豊かさを与えています。
これ、実は私たちが普段やっている
パッシブデザインの
考え方とすごく近いんです。
浅井良工務店では、
単純に「窓をつける」ではなく
・どの位置に
・どの大きさで
・どの高さに
そして
・隣に建物があるのか
・どの時間にどれくらい日が入るのか
・冬にどれだけ熱が入るのか
・夏にどれだけ遮れるのか
そこまで考えて設計します。
和歌山は日射条件が
すごく良い地域なので、
この“光の設計”が
暮らしの質に直結します。
実際に、晴れた冬の日は
暖房をつけなくても20℃近くまで
室温が上がることもあります。
これは設備ではなく、
設計でつくっている快適さです。
■ 平屋だからこそ、ハイサイドライトが効く
最近は平屋のご相談もかなり増えています。
ただ平屋は、
「奥が暗くなりやすい」
という課題があります。
そこで重要になるのが、
このムンケゴー小学校のような
ハイサイドライト。
上から光を入れることで、
空間全体を均一に明るくする。
さらに視線も抜けるので、
実際の広さ以上の開放感が生まれます。
ただしこれも、
適当に付けると意味がありません。
・太陽高度
・周辺環境
・屋根形状
すべてを踏まえた上で、
はじめて“意味のある窓”になります。
■ もう一つの魅力「階段の設計」

もう一つ、この建物で印象的なのが
外部の片持ち階段です。
細くて、繊細で、すごくスタイリッシュ。
でもこれ、見た目だけではありません。
小学校なので、
子どもたちが安全に昇り降りしやすいように
段の高さや奥行きがしっかり考えられています。
つまり
・機能として成立している
・かつ美しい
この両立ができている。
■ 「意味が2つ以上ある設計」を目指す
私たちが設計で大事にしているのは、
“ひとつの要素に、
複数の意味を持たせること”
例えば
・窓 → 明るさ + 暖かさ + 開放感
・吹き抜け → 光 + 風 + 家族のつながり
・階段 → 動線 + 空間のアクセント
ただの「機能」だけで終わらせない。
ただの「デザイン」だけにもならない。
その両方を成立させることが、
暮らしの質を上げていくと考えています。
■ 最後に
建物って、見た目のデザインだけではなくて
「どう考えられているか」
で価値が大きく変わります。
そしてそれは、
図面だけではなかなか伝わりません。
だからこそ私たちは、
「家カフェ」という形で
・どんな暮らしがしたいのか
・なぜその設計になるのか
を一つひとつ丁寧にお話ししています。
もし少しでも
「こういう考え方の家づくり、いいかも」
これからの暮らしを一緒に考える時間として
しっかりお話しさせていただきます。
お会いできるのを楽しみにしています。

















