相対湿度と絶対湿度。健康的な暮らしを作る湿度とは
健康的で心地よい暮らしには適切な湿度管理が不可欠ですが、きちんと管理しているつもりで結露が発生してしまう、そういった場合に行われていることが多いのが間違った湿度管理です。
そもそも湿度とは、空気中に含まれる水蒸気の量を示す「値」のことですが、日常でよく使うこの湿度に種類があることをご存知でしょうか。
相対湿度とは
私たちが日常的に使う湿度とは、「相対湿度」のこと。温度計と一緒になっているのをよく見かけますね。空気が蓄えられる水蒸気量には限度があり、気温によって異なります。
低温であるほど小さく、高温であるほど大きくなります。ある気温の際に含むことができる水分の量に対して、空気中にどの程度水分量があるのかを示した「割合(%)」が相対湿度です。
湿度管理していても結露が発生する?
一般的に普及している相対湿度(%)で数値表示する湿度計を設置していると、水分量が一定でも室温が高くなるにつれて数値(%)が下がります。
これは単に室温が下がっただけで空気中の水分量は変わっていないこともあるのですが、その場合でも乾燥を懸念し「湿度を保とうとするがためにさらに加湿」してしまいがちです。
そうして加湿しすぎることで、結露が発生しやすい状況を作ってしまうこともあるのです。それを防ぐためにも、相対湿度ではなく、絶対湿度で管理することをおすすめします。
絶対湿度とは
ある温度の空気中に含むことができる最大限の水分量に対して、実際に含まれている水蒸気の割合を%で表す「相対湿度」。
それに対し、「絶対湿度」は空気中に含まれる「水蒸気の自体の量」をg/㎥で表します。縦横高さ1mの空間に含まれる水蒸気の重さが何gかを示す値です。
10℃で50%であっても20℃まで上がれば湿度20%といったように、室内の温度によって%が変わる相対湿度よりも、実際の水分量が分かる絶対湿度が、健康的で快適な室内環境を保つ家づくりのカギになります。
季節問わず、健康な暮らしには湿度が重要
冬場の乾燥した室内ではインフルエンザなどのウイルスが拡散しやすいというのはよく知られています。また一方で、湿気により発生するダニやカビは、喘息やアトピー、さまざまなアレルギー症状の引き金となります。
それらの不調を防ぐためには、絶対湿度を適性に保つことができる家づくりが重要です。そのため季節によって変化する室温や気温に合わせて適切な湿度管理をすることが求められます。
人生100年時代。長く健康的に暮らすための家づくりを
冬場に快適と言われる絶対湿度の推奨値は8g/㎥前後、インフルエンザを予防するための推奨湿度は11g/㎥以上とも言われています。
一般的になじみの薄い絶対湿度ですが、市販の機器で測定できるものがありますので探してみてください。
住まいの環境は、住む人の健康に大きく影響するもの。体の不調や病気を防ぎながら、季節を問わず快適に、長く暮らすためにはどのような家づくりをすればいいか。湿度にも着目して考えてみてはいかがでしょうか。