DANRAN COLUMN DANRAN人のコラム

省エネだけではない、高気密高断熱が大切な理由

冷えは万病のもと。

どこかのCMでも聞いた覚えのあるフレーズですが、日本で昔から伝えられているこの言葉、実は人の健康に対して大変重要な情報を発信しています。

WHO(世界保健機関)は「住まいと健康に関するガイドライン」において、寒さによる健康への影響から居住者を守るための温度として18℃以上を強く勧告しています。

また、寒波により氷点下を記録するアメリカでも、気温が低い北東部などで室内最低気温が定められています。

住宅の健康被害について早くから注目していたイギリスでは、住宅の健康に対する監査や暖房費用の支援などをこれまで積極的におこなってきました。その指針となるものとして、英国保健省が推奨する室温が、以下で挙げるものです。

寒さに起因する体のマイナスな変化として代表的なものは高血圧ですが、厚生労働省は「高血圧は循環器疾患の重要な危険因子である」と発表しています。

今後研究が進み、室温と血圧との関連が明確になれば、高血圧の予防に身体活動・運動、食生活と並んで室内の温度管理を整えることの重要性も広く示されることになるかもしれません。

意外?な冬期の死亡者数の増加率、和歌山は3番目の位置に

1年のうちで最も死亡者数が増えるのが冬と言われています。厚生労働省の人口動態統計によると、平成29年の場合、年間死亡者数の約3割が、12月~2月に集中しています。

しかし意外なことに、寒さが厳しいと言われる北海道などの寒冷地域ではその増加率は低く、反対に温暖な気候の地域の方が冬の増加率が高いのです。ちなみに、弊社のある和歌山県では20~22%の増加で3番目に高いランクのエリアとなっています。

なぜ意外とも言えるこのような結果が出るのでしょうか?

その理由は、高断熱性能のある住宅の普及率と密接な関係があると言われています。寒さが厳しい地域では、住宅も寒冷地仕様、つまり高気密・高断熱の住宅が普及しているので、冬でも室内の温度は適切に暖かく保たれ、快適に過ごすことができます。

一方、比較的温暖な地域では断熱性能があまり重視されていないため、高気密・高断熱の住宅の普及はそれほどでもありません。

断熱性能が重視されていない住宅では、室内も外気温が下がると同時に低くなり、冬期の室内が極端に寒い家となってしまいます。

室温の低下は血圧の上昇につながることが厚生労働省の調査で報告されています。血圧が高くなることで様々な病気を発症することが要因なのです。

住まいの温度が低いと起こりやすい事象として
・血圧が高くなる(脳血管、心疾患などの発症リスクが高まる)
・入浴中の事故リスク(ヒートショック)が高くなる
ことが挙げられ、そのことが冬期死亡率の増加につながっています。

これらのリスクは温度の低さだけでなく、部屋と部屋の温度の差にも関係します。断熱性能の高い家は暖かいだけでなく、各部屋での温度差が少ないことが特徴ですので、ヒートショックに対しても有効な方策と言われています。

またもちろん、暑い季節には冷房を効率よく維持することもできるため、一年を通して快適で省エネな暮らしを実現することができるのです。

SDGsを身近な目標に

持続可能な開発目標(SDGs)、通称「グローバル・ゴールズ」は世界平和の実現に欠かせないと言われていて、いま、世界中の人から注目を集めています。

その中の代表的なものとして環境や貧困に関する目標がありますが、目標の3では「すべての人に健康と福祉を」というものが挙げられています。

理想の暮らしを考えるとき、住まいにはデザインや間取りを重要視しがちです。もちろんそれらも大切なのですが、もう一つの考えとして高気密高断熱の住まいで一年中快適・活動的に過ごし、健康な毎日をおくることでSDGsをより身近な目標にしませんか。

2022.02.15
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