1969年3月8日　土曜日　晴れ

昨晩12時から4時頃まで、フラメンコを見に行っていたのでもう少し寝たいが9時半頃に起きる。
梶原さんが目覚めのコーヒーをご馳走してくれたのが美味しく心地よかった。古びた建物の地下にある薄暗いステージで、初めて見るフラメンコは思っていたより強烈だった。舞台上の黒髪のダンサーたちはかわいい子を選り抜いているのか、いずれも浅黒肌で鼻筋の通った黒目の美人揃いで、彼女らは生まれながらにしてあの強烈な性格とリズムを持っているのだろう。タップとカスタネットの用い方が抜群だ。またフラメンコギターの素晴らしいこと。「和歌山のギタリスト賢ちゃん」を思い懐かしかった。
今日は、午後よりプラド美術館の入場料が無料とのことなので一人で見に行く。途中で地下鉄にのってみたものの2度も間違い、冷や汗をかきながらようやくたどり着いた。さすがヨーロッパでも屈指の美術館だけあって名画が多い。学校の美術の時間に習った画家たちの名前が連なって出てくる。しかし、あの宗教画だけはどうも僕には理解しがたいものが多い。仏教徒にはわからないのは当然かな。

和歌山で家を建てる 浅井良工務店